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2010.10/21(Thu)

藤三+幼女有希

元ネタ→http://togetter.com/li/55259


「おーやってんなー」
藤代がボールを追いかけて走りまわる子供たちに目を細めた。
片手で有希を抱きあげたままで。有希もつられておおお~なんて言っている。
その光景を微笑ましく思いながら(うちの子が世界で一番かわいい)三上はその後ろを一歩遅れて歩いていた。

毎週末に近所の小学校で地元の少年サッカークラブが練習していることがわかったのでのぞきにきたのだ。
藤代がいつも通りの笑顔を作って、砂ぼこりの舞うグラウンドで見学中の父兄に「こんにちは」と声をかける。
直後、奇声があがる。
そりゃそうだ。でがけに見たテレビに藤代は登場していた。アクエリアスのCMに。
あっというまに囲まれてる。
有希はぽかんとしていた。ファンに囲まれる光景を目の前で見るのは初めてだからだ。サインだ写真だと練習中の子供たちにも包囲されている。
いまだ状況をつかめていない有希を取り返し行こうと三上が輪の中に入ろうとすると「三上、亮さん!?」と若いコーチが声をかけてきた。
「ハイ」
少し驚いて返事をする。若いというか、高校生くらいだ。暗めの茶髪で背は少し三上より低い。
「うわほんとだ本物だ!俺大ファンなんです!」
「・・・俺が好きとかコアだね、お前」
思わず本音が出る。三上が引退したのはもう3年も前の話だ。
「なにいってんすか!!!うわーまじ感激!俺ちょうテンぱってる!」
「落ち着け」
苦笑してしまう。ついでに若いっていいなとじじくさいことを思う。まもなくアラフォーぐらいにもなるとそう思わざるえないのだ。
「俺ガキのころからずっとファンで!試合とか見に行ってて!!最後の!引退試合のフリーキックから直接決めたやつ!アレ俺ipodにいれてるんですよ!まじちょーやべーの」
“まじ”と“超”の語彙を奪ったら何も説明できなさそうな高校生は興奮気味に言った。
確かにあれは引退試合にはぴったりだったと思う。それぐらい気持ちのいいゴールだった。
「まじサインとか貰っていいですか!?」
「あーでも俺ペンとかなんも持ってねえし。散歩のついでだから」
「散歩?」
「藤代がさ、抱っこしてる女の子。あのこ俺らの娘だから」
三上は取り囲まれっぱなしの藤代を指差した。
「俺ら?」
「俺と藤代」
「・・・・・・・。」
「かわいいだろ」
にやっと笑ってやった。
「・・・・かわいっす」
状況が飲みこめたのか呟くように若い男は言った。藤代が結婚したことは知られているけど、その相手が三上であることはあまり知られていない。まあまだ風当たりは強いので。
「おまえいくつ?」
「17っす」
「高校2年?」
「ハイ」
「まだじゃああと1年はここにいる感じ?」
「あーはい。このチーム出身なんす」
「じゃあうちの娘がサッカーやるって言った時はよろしく」
右手を差し出した。
俺のファンに悪い奴はいないだろなんて思ったことは藤代に黙っておく。
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